好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】



「指一本動かせなかったお前が、俺にしがみついて、音のない悲鳴あげた。『生きたい』、って」


「……………」


「そしたら何でかなー、死なせたくないって思った」


「………!」


「もしもだけど、俺の隣なら、生きてくれるかなって考えた。……つーか」


「……?」


「一緒に生きたいって思ったんだよ」


「!」


「あ、理由は訊くなよ? 俺も今んとこわかってないからな」


「あ、あの……ごめん、話が全部わからない……」


「んー、そうだなー。まあ要は」


「!」
 

黎が真紅の顎を捉えた。やや上向かされて心臓が跳ねる。


「俺は真紅の血がほしい。これから先、ずっと真紅だけの」