「指一本動かせなかったお前が、俺にしがみついて、音のない悲鳴あげた。『生きたい』、って」
「……………」
「そしたら何でかなー、死なせたくないって思った」
「………!」
「もしもだけど、俺の隣なら、生きてくれるかなって考えた。……つーか」
「……?」
「一緒に生きたいって思ったんだよ」
「!」
「あ、理由は訊くなよ? 俺も今んとこわかってないからな」
「あ、あの……ごめん、話が全部わからない……」
「んー、そうだなー。まあ要は」
「!」
黎が真紅の顎を捉えた。やや上向かされて心臓が跳ねる。
「俺は真紅の血がほしい。これから先、ずっと真紅だけの」



