「私がお願いしたの。白ちゃんのとこに連れて行ってって」
「はくちゃん? ……まさか月御門のガキのことか?」
「そうだよ。るうちゃんは、黒藤さんが私のとこに置いてくれてるの」
「………」
はくちゃんにくろとさん。
…………。
「なんでお前はそうガシガシ踏み込んでくる。こっちの話は危ないことばかりだぞ」
「私の問題だからだよ。……黎がどこまで知ってるかは知らないけど私は――わっ⁉」
真っ直ぐに睨んでくる真紅の瞳を見たくなくて、思い切り抱き寄せた。
間で潰された紫色の小鳥が『のーっ!』と悲鳴をあげたが、無視。
黎の突然の行動に驚いたのか、真紅は怒る余裕もないように泡喰った。



