影小路の目的はわからないが、真紅に接触する気があるのは確かだ。 もう接触しているかもしれない。 そして、真紅にはどんな力があるというのだ――。 (………) 腕(かいな)に抱いたとき、重さを感じなかった。 血と共に生気まで流れ出ていったかと思ったほどだ。 でも、その指先が動いて―― 逢いたい。一度逢ってしまえば、引き返すことなんて出来ない。 わかっていながら、摑みかかって来た真紅の手を摑んだ。 ……退き返す気なんか、もうないのかもしれない。