真紅が倒れていた時、明らかに致死量以上の血は流れていた。 だが真紅は瞬きをし、かすかながら喋ることも出来た。 並ではなかった生命力。 それも、始祖の転生という特殊な生まれの命ならば、理由になる。 ……真紅は、知ったのだろうか。 最初に逢った時は、真紅は何も知らないようだった。 妖異なんかも、視えてもいないようだ。 だが、架が言っていた。 『若君に感づかれる前に―ー』