好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】



真紅が倒れていた時、明らかに致死量以上の血は流れていた。


だが真紅は瞬きをし、かすかながら喋ることも出来た。


並ではなかった生命力。


それも、始祖の転生という特殊な生まれの命ならば、理由になる。
 

……真紅は、知ったのだろうか。
 

最初に逢った時は、真紅は何も知らないようだった。
 

妖異なんかも、視えてもいないようだ。
 

だが、架が言っていた。


『若君に感づかれる前に―ー』