好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】



『まあ、前の俺が、影小路に縁あったことは事実だ。黒藤とも無関係では……ないが……。

早めに言っておくなら、黒藤の式の無月(むつき)も俺と同じ顔だ。驚くなよ?』


「むつき?」


『黒の若君には三基の式がおる。涙雨と、無月殿と、縁(ゆかり)殿という。

無月殿は寡黙(かもく)ゆえ怖いと思うかもしれんが、面倒見の良いお方じゃ。

黒の若君のことも、白の姫君のことで暴走したときは首根っこ摑んでぶっ飛ばして止められるお方ゆえ』


「………」
 

式――配下――に首根っこ摑んでぶっ飛ばされて暴走を止められる……それって主と呼んでいいのだろうか。そしてそれって面倒見がいいといっていいのか。
 

無炎と涙雨が話を逸らした感じから、あまり踏み込まれたくない話題なのかもしれない。


この話はこれ以上は訊ねないことにした。


「斎陵学園ってどんなところなんですか?」