好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】




「何なんだ、あいつは……っ」
 

真紅はぜえぜえ息をして、とりあえず現実を取り戻すために何かしようと考えた。


着替えようか、お腹が減っているようだからご飯を食べようか、それとも――あ、まずは服を替えないと。


血まみれだって銀の人が心配してくれていたんだ。


それから、貧血状態だから早く寝ないと――。


あれ? そう言ってくれたのは……?


「………」
 

首元に手を当てた。続いて、肩口にも。
 

熱い。一瞬、焼けるような痛みが走った。


――確かにここには傷があった。


「………ほんとうに……?」
 

助けてくれた?