好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】




「あの、無炎さん?」


『なんだ?』
 

帰り道、無炎は隠形(おんぎょう)したまま答えた。


その存在を教えてもらってから、大体このあたりかな? というのはわかるのだが、隠形されてなお姿が視えるほどではなかった。


「無炎さんって……元は黒藤さんの式、とかなんですか?」


『いや、そんなことはないが……。見た目が似ているの、気になるか?』


「少し……。白ちゃ――白桜さんと黒藤さん、流派が違うって聞いたから……」
 

真紅は、そこには誰もいないように見えるけど、無炎の声のする辺りを見て話してしまう。
 

無炎は、少々の背丈の差とにごった紅い髪を除けば、黒藤と双児のように似ている。