好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】



「うん――えっと、桜城真紅、です」


「百合緋って呼んでね? あのね?」
 

ちょいちょい、と百合緋が手招くので寄って行くと、内緒話をするように耳元に唇を寄せて来た。


「白桜が女の子だってこと、この邸(いえ)でも、私と白桜の式しか知らないの。真紅ちゃんは私のヒミツ仲間ね?」
 

すぐに顔を離した百合緋は、にっこり笑った。ヒミツ仲間。


「……うん。わかった」


「よろしくね。私、白桜のお仕事には関われないんだけど、恋愛系の話だったら得意よ。気が向いたらまた遊びに来てね」
 

そういう百合緋と天音、白桜に見送られて、真紅は月御門別邸を出た。