「うん――えっと、桜城真紅、です」
「百合緋って呼んでね? あのね?」
ちょいちょい、と百合緋が手招くので寄って行くと、内緒話をするように耳元に唇を寄せて来た。
「白桜が女の子だってこと、この邸(いえ)でも、私と白桜の式しか知らないの。真紅ちゃんは私のヒミツ仲間ね?」
すぐに顔を離した百合緋は、にっこり笑った。ヒミツ仲間。
「……うん。わかった」
「よろしくね。私、白桜のお仕事には関われないんだけど、恋愛系の話だったら得意よ。気が向いたらまた遊びに来てね」
そういう百合緋と天音、白桜に見送られて、真紅は月御門別邸を出た。



