好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】



「………」
 

二人とも失いたくないと思った。強く、強く、今も。


「どうする? 経過を聞いても、力を捨てる、真紅はそれを望むか?」
 

自分を見た白桜に問われて、真紅は俯いた。
 

覚悟の問題? 誰を助けて、誰を助けないか? 
 

抱えた秘密を、身の内に押し込めて死ぬまで口の端にも出さない。
 

……そんな真紅(じぶん)を、黎は、海雨は、どう思うだろうか。


(……なんでそんなことするのって、怒るだろうな)
 

陰陽師の方へ行くなんて、それだけで海雨には心配をかける。


黎も、自身を責めてしまうかもしれない。


海雨のために、黎のためにと選んだ道だから。
 

――真紅は、やっと顔をあげた。


「望まない」