好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】



「………」


『白のひ――若君なら察しておられよう。お嬢はご自分の血に迷っておられる』


「………」
 

涙雨の言い分に、真紅は反論も、しかし付け足しも出来なかった。


「……真紅」
 

白桜は、自身の隣へ真紅を呼んだ。座るよう促され、真紅はこそっと腰かけた。
 

庭には、無炎だけがいる。


「……私、……」


「うん」


「影小路へ、入るつもりだった」


「うん」


「……白ちゃんに、問われるまでは、それが私に出来ることなら、て……」