好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】



「……何、勝手なこと……」


「そうだよ。勝手なことだ。俺の勝手な願望で、真紅を死なせたくないだけだ。真紅の血がほしいだけだ」


「な――」
 

何故だか顔が熱い。


いや、そんな告白みたいな言葉を簡単に吐く奴がいるか。普通に恥ずかしいだけだ。嬉しいわけなんかじゃない――


「生きる理由がないならさ、俺を理由にしろよ」