好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】



「ご、ごめん……」


「謝るくらいなら言うんじゃねえよ」


「ごめん……でもまさか、真紅が気付いてるとは思わなくて……てっきり白が先に言ってたのかと……」


「言うわけねえだろ。……お前、梨実海雨、見て来たか?」


「一応、涙雨を通してだけど。けど、あれって……」
 

眉をしかめる黒藤に、白桜ははっきりと告げた。


「十中八九、真紅の所為だ」