「真紅ちゃんはさ、紅亜様のこと、悪く思ったりはしてないの? 理由はあれど一人だったこと」


「んー、なんだかんだ言っても、毎日逢ってたし、彼氏が私を嫌ってるからっていう話も、建前? な感じは薄々だけどしてたから……ママのことは、すきだし」
 

母は、いつも全身で笑みを向けてくれていた。


それを嘘や偽りと感じたことはなかった。
 

一緒に暮らせないことは淋しかった。でも、逢えないわけではなかった。


……今は離れていた理由が、真紅のためだと知った。


「でも……やっと一緒に暮らせるの、やっぱり嬉しい」
 

もしかしたら叔母も一緒になるかもしれないけど、それも楽しみだ。


母は、妹とどんな風に接していたのだろう。
 

十六年前に眠った双児の妹。