「自分への否定じゃなければいいんじゃない? その通りで、若君はあの通り跡目になる気はないって言い放ってるんだ。
今回本家に呼ばれたけど、断って帰ってきちゃったみたいで。……白桜さん嫁にするからって言って」
架、落ち込み期。若君の話になるとちょいちょいあるな。
「まさか白桜さんが女性だなんて知らなかったし……白桜さんの言い方では、小路でも知られてないみたいだけど――……まあ、男の人がすきって思われてる」
「………」
そういった話にはコメント出来ない真紅だ。
「それにもう一つ、若君を次代にと推す声と、異を唱える声の理由があるんだ」
「理由?」



