「……うん」 「黎の傍にいていい、私になりたい」 「うん」 「正直、私を殺そうとしたものなんて、どうでもいい。どうでもいいくらい、黎の方が、大事」 そして、 「海雨に何かが憑いていて、それを陰陽師という方法でなんとか出来るなら、私はそうする」 「……そう」 「うん。――私は、白ちゃんと黒藤さんの方へ、行きたい」 「―――」 それは影小路に入るということ。 海雨を助けるため、鬼を殺す自分の血に克つため。 ――自分の血を、克服するため。