好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】



「……その心配はあるかな。白桜さんも否定しなかったし。でも、兄貴は真紅ちゃんに傍にいてほしいって思ってるし」


「……? そんな話したの?」


「話してはないけど、わかるよ。一応兄弟だからね。むしろ、自分が傍にいたいって思ってるよ」


「………」
 

ほんとう?


「そう、なのかなあ……。でも、


「でもとかだって、は言わない方がいいよ? 白桜さん、言ってたろ? 陰陽師の言霊は普通の人より呪いの力が強い。

真紅ちゃんはまだそれではないけど、その資質は大いにあるんだ。……口にすれば、それは現実(ほんとう)を引き寄せてしまう。

悪いことを口にしたら、現実も悪い方へ行ってしまう」