「っ、……桜城くん、それは……」
「どうなるんだろうねえ」
彼氏なのも役だって知ってるでしょ? そう言う前に、架はにっと笑った。
わざとらしくからかわれるのって、うう……なんだか居たたまれない……。
「……桜城くんは、反対しないの?」
「なにを? 真紅ちゃんが影小路に入ること?」
「それもあるけど……私が、黎の近くにいること。白ちゃんは現状では総てが否定出来ないって言っていたけど……まさかってことも、あるんだよ?」
退鬼師の血が、鬼を喰らい尽くす結末も。
真紅が架を見られずに言うと、架は「うーん」と唸った。



