好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】



「っ、……桜城くん、それは……」


「どうなるんだろうねえ」
 

彼氏なのも役だって知ってるでしょ? そう言う前に、架はにっと笑った。


わざとらしくからかわれるのって、うう……なんだか居たたまれない……。


「……桜城くんは、反対しないの?」


「なにを? 真紅ちゃんが影小路に入ること?」


「それもあるけど……私が、黎の近くにいること。白ちゃんは現状では総てが否定出来ないって言っていたけど……まさかってことも、あるんだよ?」
 

退鬼師の血が、鬼を喰らい尽くす結末も。
 

真紅が架を見られずに言うと、架は「うーん」と唸った。