「俺は生まれつきだから。……これから、色々大変になるのは真紅ちゃんだよ?
紅緒様が目覚められて、真紅ちゃんが転生だって小路の人に知られれば、影小路本家への復帰を望まれるはずだ。
生みの親である紅亜様にも話は行くかもしれない。……そういうとこ、もう考えてる?」
「……うん」
もう、考えている。
自分がこうしたいと思うことが、二つだけ、ある。
それを叶えるための手段は、誰かに教えてを乞うしかないけれど。
「……さっき話してたのって、梨実さんのことだよね? 何かが取り憑いて、って……」
「……そう」
海雨の周りに、黒いものが漂っている。



