好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】



「俺は生まれつきだから。……これから、色々大変になるのは真紅ちゃんだよ? 

紅緒様が目覚められて、真紅ちゃんが転生だって小路の人に知られれば、影小路本家への復帰を望まれるはずだ。

生みの親である紅亜様にも話は行くかもしれない。……そういうとこ、もう考えてる?」


「……うん」
 

もう、考えている。


自分がこうしたいと思うことが、二つだけ、ある。


それを叶えるための手段は、誰かに教えてを乞うしかないけれど。


「……さっき話してたのって、梨実さんのことだよね? 何かが取り憑いて、って……」


「……そう」
 

海雨の周りに、黒いものが漂っている。