「真紅ちゃん、大丈夫? いきなり結界なんかに取り込まれて、気分悪くなってない?」
気遣ってくれる架だったが、真紅にそういった症状はなかった。
「大丈夫」
「そう? ならいいけど――兄貴が血を吸ったって、どういうこと?」
「‼ ちょっ! 今ここでそういう話は――」
「答えて」
「―――………」
真剣な眼差しで言われて、真紅は根負けした。
架のやり方を変えるのは相当の力がいるようだ。
「……自分から死ぬんじゃなくて、殺されて死ぬのなら、いいかなって思った。……私は、海雨のドナー適合者なの」
「―――」



