「そうなんだ……。桜城くんは? 白ちゃん普通に呼んでるけど……」 真紅がふと気になって問うと、架の肩が跳ねた。 「架は、前に俺に突っかかってきたことがあってなあ……。黒のことを誘惑すんじゃない、とかなんとか。 そんで面倒くさくなって名前で呼んで、刃向かったらある程度のことがあると暗に脅している」 「………」 「……見ないで真紅ちゃん……」 また両手で顔を覆ってしまった。見るのはやめてあげた。 代わりに白桜に目をやる。 「前はなんて呼んでたの?」