「今、私の身体には黎の血が流れているみたい。その前に黎は私の血を吸っているから、……今の黎には、私の血が流れている。
昨日黒藤さんに聞いた。桜城の血は、退鬼師の血だって」
「黎明のを廻る真紅の血か……」
「……私の血、が……黎に害悪を与えることは、ないの? まさか、……黎のこと――……」
「架」
白桜に呼ばれ、驚きが過ぎて呆然としてしまっていた架がはっと見返した。
「昨日、黎明のに逢ったんだろう? いつもと違う様子はなかったか?」
「いつもとって……俺にイラついていたぐらいしか変わりないと思ってましたが……」
「お前に? 何故」
「え、それは……」



