「だっ、……ちょっと待って真紅ちゃん⁉ 兄貴が血を吸ったって何⁉ 真紅ちゃんは――」
「真紅。順を追って説明してくれないか?」
混乱の極みの架を制した白桜に提言された。
真紅は「桜城くんも、聞いて」と話し出した。
「三日前の夜、私は海雨の病院の帰りに、何かに襲われて死にかけてた。
それを助けてくれたのが黎だった。最初私は、本当に自分は死ぬものだと思って血の全部を黎にあげるつもりだった。
でも、私の血を吸った黎は、その後に自分の血を私に送って助けてくれたの。
……意識が目覚めてから、昨日黒藤さんに逢って思い出すまで考えてもいなかったんだけど……。私を襲ったものは、黒い翼があった。
刀……日本刀みたいなものを持っていて、何人? ものそれが私を囲んでいた。
視えるようになってから、思い出したの」
「黒い翼と刀?」



