好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】



「うん……幼稚園からの幼馴染で、病弱っていうか……入院がちなの。

昨日、はっきり目に見えるまで全然気づかなくて……昨日気づいたのも病院を離れたあとだから、視えるようになってから逢ってない。

今日見たら何か違うかなって思ってるんだけど……」


「……簡単にその事象の是非で答えるなら、それはあり得ないとは言えない。

俺たちは前例のないモノを相手にすることが多いから、まず否定は出来ないな」
 

白桜は慎重に答えた。前例のないモノ……。


「……桜城くん」


「なに?」


「正直、私はこれからの話をする前に、白ちゃんと二人にしてほしいのだけど……」