「なんだ?」 「白ちゃん……二つ、訊きたいことがあるの」 「うん」 「その……普通の人には視えないモノが、人間に……取り憑く? っていうのかな……ずっとその人の影に混ざりこんでて、その人を、殺さずに、でも、身体的に弱い状態でいさせることって、ある?」 白桜は、真紅の力の開花を認めてくれた。 だが、真紅自身はまだそれが『感覚的』にしかわからない。 説明したいことも核が摑めず、あやふやな言い方になってしまった。 「それは……真紅の近くにそういう人がいるということか?」