好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】



「なんだ?」


「白ちゃん……二つ、訊きたいことがあるの」


「うん」


「その……普通の人には視えないモノが、人間に……取り憑く? っていうのかな……ずっとその人の影に混ざりこんでて、その人を、殺さずに、でも、身体的に弱い状態でいさせることって、ある?」
 

白桜は、真紅の力の開花を認めてくれた。


だが、真紅自身はまだそれが『感覚的』にしかわからない。


説明したいことも核が摑めず、あやふやな言い方になってしまった。


「それは……真紅の近くにそういう人がいるということか?」