真紅は、黒藤が顔をしかめるのを初めて見た。 しかし紅亜は気にしていない。 「なんで?」 「無涯は消えました。それだけです」 「でも、紅緒はもうすぐ目覚めるわ」 「………」 紅亜が黒藤を黙らせた。その様に、架が一番驚いていた。 「若君を黙らせるって……」 もっと言うなら、架は愕然としている。 紅亜は何を思ってか、唐突に言った。 「黒ちゃん、一つ教えておくわね。紅緒は目が覚めても、当主に返り咲きはしないわ」