「ですが……」
「急にこんな話されても理解出来ないよな。いきなり悪い」
言いよどむ架に、黒藤は真紅に向かってすまなそうに言った。
真紅はがんばって黒藤と架の言葉を噛み砕いた。
自分とこの人は、従兄妹。母同士が姉妹。母には双児の妹がいた。
母は長子であったが、何故か養子に出された。
母から、『かげのこうじ』なんて名前を聞いたことはない。
桜木家に養子に入って、そこで結婚したとは聞いていたけど、てっきり養子になったのは結婚するときだと思っていた。夫婦養子とか。
それから、自分は陰陽師? みたいな力が眠っているそう。



