「なんとゆうか……」 真紅はようよう口を開いた。 二人の視線が集まる。 「桜城くんが来てなかったら、私逃げてただろうなって思う……」 どんなファンタジーを話しているんだか。黒藤は自嘲気味に笑った。 「だろうなあ。俺も、危ない人扱いで警察呼ばれるだろうから、ストレートに話すなって白――幼馴染に怒られてきたとこだ」 「御門のご当主も真紅ちゃんのことご存知のなんですか?」 「みかど?」 真紅が訊き返せば、黒藤が答えた。