+
誰ともなしに喋って、いつの間にか笑顔が浮かんで。
公園でみんなと別れてから、海雨への報告が増えたことを嬉しく思う。
みんな、海雨のことは気になっていたそうだ。
ただ、真紅ばかりが傍にいるので、近づくに近づけなかったらしい。
……みんなには悪いことをしてしまっていたかもしれない。
このまま病院へ行こうか。母は朝来てくれたから、夜すれ違う心配もない。
海雨に話したい。……黎に逢いたい。
(あ、でも黎はお仕事なんだった)
黎からは聞いていないが、海雨は病院の職員だと言っていた。
そのあたり、逢ったら訊いておこう。黎から言質(げんち)は取った。
「また」と言ったのは何があっても忘れない。



