「その、昨日彼氏がいるって聞いた時点で……もの凄く罪悪感がきたの……」
「桜木さんに、架くんを独占されてるみたいに思ってて……でも、昨日の話聞いてから考えてみたら、桜木さんから架くんに話しかけたことなかったな、て」
その通りですね。いつも架から絡んできていたのだ。
そして今日の架の嘘八百が、その印象を後押ししてくれたのだろう。
架が人気あることはこの先も変わらないだろうけど、真紅には架に、恋愛感情がないとはっきり宣言出来たようなものだろうか。
「ごめんなさい。殴ってくれて構わないから」
「無理ですよ⁉ 女の子殴れるわけないじゃん!」
黎に裏拳を喰らわせたことは、当時の混乱に紛れて忘れている真紅だ。
「……どうしたら、ゆるしてもらえる?」
「………」



