好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】



「その、昨日彼氏がいるって聞いた時点で……もの凄く罪悪感がきたの……」


「桜木さんに、架くんを独占されてるみたいに思ってて……でも、昨日の話聞いてから考えてみたら、桜木さんから架くんに話しかけたことなかったな、て」
 

その通りですね。いつも架から絡んできていたのだ。
 

そして今日の架の嘘八百が、その印象を後押ししてくれたのだろう。
 

架が人気あることはこの先も変わらないだろうけど、真紅には架に、恋愛感情がないとはっきり宣言出来たようなものだろうか。


「ごめんなさい。殴ってくれて構わないから」


「無理ですよ⁉ 女の子殴れるわけないじゃん!」
 

黎に裏拳を喰らわせたことは、当時の混乱に紛れて忘れている真紅だ。


「……どうしたら、ゆるしてもらえる?」


「………」