「適当に話合わすしかないな」
「うん」
二人が肯きあうのを見計らってか、架がしめた。
「――みんなの誤解は解けたかな?」
「あ、あの……」
女子からの返答を待たずに、架は黎の方へやってきた。
にこやかに喧嘩を売る。
「ちょうどいいから、黎、このままうちへ帰らない?」
「無理だ」
「跡継ぎがいなくなって、弟の俺が割り喰って色々困ってるんだけど」
「知るか」
「若君にまで心配かけてるんだよ? いい加減帰らないと若君に黎のところへ行ってもらうよ?」
「なんであいつが出てくんだよ。俺が小埜の家にいるのは桜城も了承済みのことだろ」
……真紅の知らない兄弟の話だ。



