「弟だ」 「おとうと⁉」 「家出するし跡継ぎにならないとか言う放蕩者の馬鹿兄だよ」 「ほうとうもの⁉」 (……………………) ……取りあえず、二人は兄弟というところは理解出来た。 「それで充分だろ」 黎が架の手を払うと、架はさっと真紅の方に寄った。黎の眉も寄る。 「真紅ちゃん、なんで黎と一緒に?」 「え? えーと……」 「お前が原因で女子連中から因縁つけられてんだと」 「!」 (そ、それ言っちゃうの⁉) 「え……どういうこと?」 真剣な表情で問われて、真紅は説明せざるを得なかった。