架が、黎を見て呆然としている。 知らない人が友達の隣にいて、驚いたのだろうか。 真紅はなんとしようか迷ったけど、黎が逢わせるよう名指しした男友達とは架なのだ。 そして黎は言ってくれたのだ。 「か、彼氏! 私の!」 堂々と――したつもりで――宣言したけど、黎からはなんの反応もない。 ……今になって彼氏役すらやる気なくした? 「………」 心配になってそっと目だけで伺うと、黎はなんとも言えない顔をしていた。 そして、ようよう口を開いてくれた。