他人事のように横目に様子見していたら、勝っている方の不良と目が合った。



オリーブ色の髪を左半分だけ刈って、器用に左のこめかみの辺りからイナズマのマークを掘っている、へんてこな髪型をした不良が、


殺気立った視線で私を突き刺す。



野次馬はどっか行けって?

はいはい、わかりましたよー。




寛大な私は素直に従って、回れ右して家路をたどると、また殴りつける音が轟いた。




「ぐは……っ、お、お前が、今噂の……」



血反吐を吐きながら呟いた、負けてる方の不良の声が、私の耳にも届く。


何か言う力が残ってるなら、さっさと逃げればいいのに。




「不良撲滅隊の、NINA【ニナ】なのか……!?」




思わず、足を止めた。