BAD & BAD【Ⅰ】





お願い、気づいて!!


副総長の瞼が全開で口角も上がってるけど、本音を見破って!




「えらいぞ」

「へへっ」


――あれ?



心臓がドクン、と大きく高鳴った。



なんでだろう。


桃太郎の頭をくしゃくしゃっとかき乱した副総長の姿が、なぜか一瞬、“あの人”と重なって見えた。



副総長と“あの人”は、似ても似つかないのに。




「ん、ご褒美だ」


「……いや、それは要らねぇっす」


「そうか?」



副総長が桃太郎にアイスをプレゼントしようとした会話で、ハッと我に返る。


“あの人”のことを思い出すなんて、いつ振りだろう。



「でも、なんか、ちょっとだけ体力ついた気がします!」



桃太郎はグッと拳を握りしめて、唇の隙間から歯を覗かせて嬉しそうに笑った。