BAD & BAD【Ⅰ】






桃太郎と同じのろのろペースで歩いていたら、洋館前に到着するまで、距離は近かったのに30分もかかってしまった。


それだけ、自称トレーニングは難しいものだったということだ。




洋館の前に着くなり、桃太郎は地面に膝をついて、肩で呼吸をし始めた。



「はい、タオル」


「おう、サンキュー」



思いやりに溢れている私は、汗だくな桃太郎にタオルを渡した。


さりげなく、桃太郎より女子力があるんだよアピール。



桃太郎に担がれていた副総長は、もちろん汗一つかいていない上に、持っていた袋からアイスを取り出して食べだす。



副総長、あんたは鬼か!


疲れてる人を前に、素知らぬ顔で好物を食べやがって!



アイスを1つあっという間に平らげた副総長が、桃太郎に近づく。



「よく頑張ったな、桃太郎」


「凛さん……!」



桃太郎、騙されないで!



まるで、部活動に励む先輩と後輩の感動的な青春劇のようだけれど。


本当は、副総長が力を使いたくなかっただけなんだよ!