「あと少しで洋館に着きますんで、我慢してくださいね凛さん」
「ん」
桃太郎おおおお!!!
お前はもう少し、副総長の言葉に耳を傾けろ!そして疑え!
今の本音が聞こえなかったの!?
「幸珀も行くぞ」
「う、うん」
副総長が桃太郎の背中でくつろぎながら、私を横目にそう言ってきて、私は頷くことしかできなかった。
帰ろうと思ったけど、これじゃあ帰れない。
桃太郎が心配すぎて。
こいつ、危なっかしいし騙されやすいし、足とかぷるぷる震えてるし。
洋館まで体力持つのかな。
か弱い幼女が巨大な熊を背負ってるようなもんだよ?
そんな桃太郎を見たら、「疲れてるんで帰ります」なんて言えないよ……。
桃太郎と副総長に気づかれないように、こっそり静かに息を吐いた。



