BAD & BAD【Ⅰ】






「あと少しで洋館に着きますんで、我慢してくださいね凛さん」


「ん」



桃太郎おおおお!!!


お前はもう少し、副総長の言葉に耳を傾けろ!そして疑え!


今の本音が聞こえなかったの!?




「幸珀も行くぞ」

「う、うん」


副総長が桃太郎の背中でくつろぎながら、私を横目にそう言ってきて、私は頷くことしかできなかった。



帰ろうと思ったけど、これじゃあ帰れない。



桃太郎が心配すぎて。


こいつ、危なっかしいし騙されやすいし、足とかぷるぷる震えてるし。



洋館まで体力持つのかな。


か弱い幼女が巨大な熊を背負ってるようなもんだよ?



そんな桃太郎を見たら、「疲れてるんで帰ります」なんて言えないよ……。




桃太郎と副総長に気づかれないように、こっそり静かに息を吐いた。