相手が私でよかったね。


私は慣れてるんで、真修に胸キュンしません。


でも、お願いだから、ドジって私の正体をバラさないでよね。




真修は、ここでの唯一の味方なんだから。





「おーい、そろそろいーい?」



弘也の声で、私は皆の存在を思い出した。


アイコンタクトで真修に「本当によろしく頼むよ」と熱い念を送り、皆の元へ戻る。



「2人とも知り合いなら、自己紹介は要らねぇな」


「2人って、どんな関係なの~?」



桃太郎の頭を肘置きにしながら言った副総長に続いて、弘也が余計なことを聞いてきた。



弘也のやつ、そんなことを聞くんじゃないよ!


どうでもいいでしょ!?



「え、あー、その……こ、幸珀とは家族ぐる」


「幼なじみだよっ」



真修のたどたどしい口調を強引に断ち切って、私がにっこりスマイルを顔に貼り付けて返答した。