こいつは、私の幼なじみで、同い年の小泉 真修【コイズミ マシュウ】。


私の両親と真修の両親と、もう1人の幼なじみの両親が、学生時代から仲が良く、年の近い私達子どもを昔から一緒に遊ばせていた。



簡潔に言えば、家族ぐるみの仲。




「あんたこそ、神雷でリーダーやってるなんて聞いてないよ!」


「き、聞かれなかったから言わなかった」


「何そのガキみたいな理屈!!」




くせっ毛の銀髪を毎日ワックスで整えているらしい真修は、中世的な顔立ちで、性格は師匠と少し似ている。



結構な頻度でドジをして、たまに頑固になって。


リーダーシップはお世辞にもあるとは言い難いが、自然と周りから慕われるタイプなんだ。



だけど真修は、私が心の中で時々「無自覚ジェントルマン」と呼んでいるほどの天然女たらし。


そこを直せば……いや、自覚さえしてくれれば、まだマシなのにな。




「というわけで、私は今男って設定だから」


「何が『というわけで』なのさ。ちゃんと事情を説明してよ!」


「細かいことはいいんじゃん!とにかく、よろしくね」


「……はぁ、仕方ないな」




真修はため息を吐きながら渋々了解し、くしゃくしゃっと私の頭を撫でた。


こういうことを無自覚でやるから、そこら中の女子が真修にメロメロになっちゃうんだよ。



さすが無自覚ジェントルマン。