NINAが、また現れた?


どういうこと?



私だけでなく、皆も噂が聞こえていたようで、ほぼ同時に皆が剛に視線を集わせた。



「ち、違ぇよ!?」


「本当に?」


「違う!俺じゃねえ!」



私が疑いの念を送れば、剛は全力で首を横に振って否定した。



剛じゃないなら。

一体誰が、NINAの名を騙ってるの?



剛の時は、何か大変で物騒なことをしでかしてそうだったから、面白そうと思って様子見していたけれど。



私の知らないところで、知らない人が、知らない目的のために、NINAとして欺いてるのは、


「面白くない」




今までこんなことなかったのに。


数年経った最近になって、どうして。





今回の噂の「NINA」が剛ではないと判明し、興味が薄れた皆の影に紛れて、私だけが形容しがたいわだかまりを覚えていた。



「ちょっと調べてみるか」



嫌な予感が、した。