「はぁ……。やっぱ助ければよかった」


「僕がパシられるなんて~っ!」


「これじゃあ、あいつの召し使いも同然じゃねぇか。最悪」


「うぅ……」


「どうせ俺らが助けなくてもやっつけてたくせによ」




桃太郎と弘也と剛と真修とたかやんが、揃いも揃って愚痴っていたので、微笑みながら背中を順々にぶっ叩いてやった。



これで元気出た?落ち込むのウザいからやめろ。


私と凛のデートを邪魔した罪もあるんだから、もっとわがままになってやる。




「ねぇ、凛」


「なんだ?」



背中を抑える皆の後方で、凛の服の袖をクイッと引いて、背伸びをする。


凛の耳に唇を近づけた。



「今度は、2人きりでデートし直そうね」



次こそ、誰にも邪魔されずに。

甘い甘いデートを。



凛の耳がうっすらと赤く染まったことに気づいて、柔らかな笑顔を浮かべる。



「2人だけの、約束だよ」