「す、すごい……」


思わずポツリ、と呟いてしまった。



さっきまであんなに怖かったのが嘘みたいに、俺はパーカーの人に魅了されていた。




一瞬にして、倒しちゃった……。



すっごい!!

強すぎる!かっこよすぎる!


よく漫画で出てくる、ヒーローのようだ。




「大丈夫か……って、え!?」


「?」


「あ、えっと、……それじゃ」


「あの、助けてくれてありがとうございました!」




パーカーの人は俺の顔を見た途端、なぜか早足でこの場を去ってしまった。



結局、顔見れなかったな。


一体誰だったんだろう。



声は女っぽかったけど、あんなに強いんだから男だよな。




俺も、あの人みたいになりたいな。