つっこみたい。文句を言いまくりたい。


だけど、今は我慢だ。



「何か用?私、急いでるんだけど」



というか、凛も一緒に来てよ。

神雷の緊急事態を知らされてないの?




「なあ、幸珀」


「なに?」


「今度は、ヒーローと悪役、どっちになるつもりなんだ?」


「……え?」




“あの日”の前日、“あの人”——委員長がくれた助言と似通った言葉。



偶然だろうと思う反面、もしかしてと焦がれてしまう。


いや、でも。

まさか、そんな。



「まあ、お前の行動を見れば一目瞭然か」


「凛……」