スマホの画面を確かめたら、確かに「師匠」という文字が表示されていた。


寝ぼけてて画面見てなかった!

うっかり電話に出ちゃったよ。



今は気分的に、できる限り神雷のメンバーとは関わり合いたくなかったよ!



師匠、空気読んで?私の立場を察して!?


気軽に電話なんかかけてこないで!!



このまま切っちゃおうかと思った、直後。




『た、助けて、幸珀!!』




媒体を通じて届いた、師匠からのSOS。



助けてって……え?


心臓がバックンバックン、と不穏に、えぐるように高鳴る。



「し、師匠、どうしたんですか!?」


『洋館に敵が襲撃してきて、神雷が危ないんだ!』



あの最強と謳われている神雷が、危ない?


そんなに敵は手ごわいの?



焦りを含んだ師匠の声の奥から、鉄パイプで床を叩きつける鈍い音が聞こえてきた。



『っ、幸珀、助け……う、うわあああ!!』


「師匠!?師匠、返事してください!師匠!師匠!!」





叫び声を上げた師匠から応答がないまま、電話は途中で途切れてしまった。