あれは、私が小学4年生だった頃。


今とは真逆の、寒さが際立ってきた冬の始まり。





ある日、私のクラスでいじめが発生した。




『おいっ』


『ご、ごめんなさいごめんなさい!』


『謝るんじゃなくてさ、昨日お前が汚した服を弁償しろよ』


『……っ、ご、ごめんなさい』


『あれ気に入ってたのに、まじ最悪』




今は名前すら思い出せないし、思い出したくもないから、仮の名前をつけるとしよう。



いじめられている、内気なクラスメイトがAくん。


いじめている、えらそうなクラスメイトがBくん。




Bくんは友達と一緒に、教室のど真ん中でAくんをいじめていた。



原因は、昨日の給食の時に、朝から体調が優れなかったAくんが嘔吐してしまい、

隣の席のBくんの服にそれが少し付着してしまったから、というしょうもないものだ。



たったそれだけのことで、BくんはAくんをこれでもかというほど傷つけている。


ガキすぎる。