「無事でよかった」 胸の奥が、くすぐったい。 守るのはいつものことだけど、守られるのは慣れていないからだろうか。 ほんの少し、体温が上がった。 「怪我してんな」 「これくらい平気だよ」 そう返しても、副総長は目に見えて激昂する。 「やっぱ、もっかい殴ってくる」 「めんどくさくなるだけだからやめて!!」 マッチョくんが逃げていった方向に行こうとした副総長の腕を、両手でぎゅっと握る。 精一杯説得したら、渋々留まってくれた。 「右頬、痛むか?」 副総長の大きな左手が、私の右頬に触れた。