顔が青ざめていくのがわかる。


心臓がドキドキ激しくなって、呼吸が浅くなる。




――そんな時。



「何してんの?」



背後から、低めのトーンで発せられた声が、耳をかすめた。




近づいてきた足音が、あっという間に怖気づいている俺を追い越し、俺を痛めつけようとしていた不良の前で立ち止まった。



「まさか、カツアゲ?」


「だったらなんだよ」



この人、誰なんだろう。


見ず知らずの俺を、助けようとしてくれているのか……?



パーカーのフードを深く被っているその人は、度胸のある心とは裏腹に俺より小さくて、まるで女みたいだった。




「だっさい真似してんだね」


「……あ?」



パーカーの人の軽い挑発に、不良達はかっと熱くなり拳を振り上げた。


だが、その拳はいとも簡単に受け止められてしまう。



直後、パーカーの人は目にも止まらぬ速さで不良達の顔を殴った。