「幸珀っ!」 観覧車から少し離れた距離のところで、肩を掴まれた。 誰!? 反射的に振り返る。 「あ、真修……」 真修の呼吸が、荒い。 全速力で走ってきたの? よく私に追いつけたね。すごいよ。 「どうしたの?」 「幸珀、俺……っ」 「真修……?」 肩を掴む力が、強まる。 真修は憂んでる顔を、さらに陰らせた。 そっか、心配してくれてるんだね。 「私は大丈夫だよ」 ありがとう。 そう伝えるように微笑んで、そっと肩に乗っかった真修の手をどけた。