ねぇ、師匠。
あなたが憧れてるパーカーマンの正体が、決してヒーローにはなれない、弱くて愚かなマガイモノだと知ったら。
師匠は、どうしますか?
悲しみますか?軽蔑しますか?
15分は想像以上にあっという間で。
気がつけば、地上に戻っていた。
ゴンドラの扉が、開かれていく。
私はすぐに、ゴンドラを降りた。
「待てよ!幸珀!」
待たない。
決して、止まりはしない。
あとを追いかけようとする桃太郎だが、既に走り出している私には到底追いつけない。
もう一度私の名前を叫んだ声が、うっすらとかすめた。
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