BAD & BAD【Ⅰ】







ねぇ、師匠。



あなたが憧れてるパーカーマンの正体が、決してヒーローにはなれない、弱くて愚かなマガイモノだと知ったら。

師匠は、どうしますか?



悲しみますか?軽蔑しますか?







15分は想像以上にあっという間で。


気がつけば、地上に戻っていた。



ゴンドラの扉が、開かれていく。


私はすぐに、ゴンドラを降りた。



「待てよ!幸珀!」



待たない。

決して、止まりはしない。




あとを追いかけようとする桃太郎だが、既に走り出している私には到底追いつけない。


もう一度私の名前を叫んだ声が、うっすらとかすめた。