心臓が重く軋むように、ドクンと鳴りながら圧縮した。 「お前は、どうして“悪”になったわけ?」 「さあ?」 私はいつから、“悪”になったんだっけ。 ――あぁ、そうだ。 私が“悪”になったきっかけは、“あの日”。 『ヒーローか悪役になればいいんじゃねぇの?』 悪役になる道を、選んだ。 他でもない、自分自身で。 どうしてか、なんて。 そんなの決まってる。 自分が悪くなるしか……それしか、道はなかったんだ。 “あの日”から、私は。 真っ黒に、染まってる。