幸珀が神雷を去った日の夜。





俺は、広間の奥にあるベランダで、夜空を眺めながら冷たい風に当たっていた。


まん丸な月の周りで、数え切れないほどの星達が踊っている。



すると、ベランダに誰かがやって来た。




「あ、凛!こんなところにいたんだ」


「……京」


「アイス持ってきたんだけど、食べる?」


「食う。あんがと」


「どういたしまして」




京からカップに入ったチョコのアイスを受け取り、早速頬張る。


ん、うまい。

これ、初めて食った。どこのだろ。



「わあ、今日は満月なんだ!」



急にテンションが上がった京が子どもみたいで、なんだか可愛かった。